『王様ランキング』は原作よりアニメがすごいと思う話

スポンサーリンク

秋アニメで楽しみにしていた『王様ランキング』。今のところ配信済みの3話まで見たのだけど、まず1話からものすごい衝撃。涙が止まらない。

以前に原作はたぶん1話だけ読んでいて、その時はそこまでハマらなかったので、正直「あれ??こんなすごい作品やっけ??」となってしまった。

そこですぐに原作を11巻まで一気読みした。そしたらとっても色んな発見があって、もちろん原作も素敵なのだけど、アニメがいかに巧みにできているかがよりよく分かった。

今回は、『王様ランキング』のアニメの良さを原作との違いを踏まえてメモしたい。

(例によってネタバレ前提なので以下ご注意ください。)

 

・まずアニメ1話を見た時に一番感動したのが作画の美しさ。元々原作者が絵本を得意としていること、おそらくその画風へのリスペクトがしっかり詰まっていて、かつ本当にアニメがアニメたる動き。キャラクターたちの生きてる感。『NOMAD メガロボクス2』の時もそうだったけど、引き算が上手で、表現したいテーマに合っていて、オリジナリティ豊かな絵。(私はそういうのが好みなんだなと改めて思う。もちろんヴァイオレット・エヴァ―ガーデンみたいなきれいさも好きだけど!)

・画風は絵本っぽいけれど、アクションが本当に見ごたえがある。アニメの醍醐味。手話を使っている動きもリアリティがある。そう!リアリティ!今後のストーリーは戦闘シーンが増えるはずなのでそこも期待。

・そもそものキャラクターについて。ボッジがかわいい。私は元々判官びいきな性格なので、弱っちぃやつが頑張っていると応援したくなってしまうのだけど、ボッジはまさしく弱っちくて頑張り屋。心も真っ直ぐで、辛くても黙って我慢して一人で頑張るいかにも男の子な感じで(フェミ的にはちょっと…な部分もあるけど)。これは応援せずにはいられないよ~。力が弱いだけじゃなくて聴覚障がい者っていう設定も独特だし、この特徴を活かした活躍を期待してしまうなぁ。

(本当はぜひこの特徴をもっと大事にしてほしかったのだけど、原作では、力が弱いことは父王と魔人の契約でなった(力を奪われた)ことだと結構序盤で明かされて、なんというか、「力の弱さは人のせいで、本当は強い」みたいに見えて、ボッジの力の弱さを否定してしまっているように感じた。ありのままのボッジを愛したかったんだけど。。。結局「力が強いやつが偉い。どんなやつだろうと力が強くなければ価値がない(女子ども障がい者老人は引っ込んどれ)」みたいなマッチョな価値観が透けるのは嫌だな。アニメがここんとこをどう料理してくれるのか注目!)

・ヒリングが好き!!当たりはキツイけどめっちゃええやつ系。やっぱりアニメでも3話でヒリングの活躍やボッジとの過去が描写されて泣いてしまった。ヒリングのボッジへの愛、たまらん。

・アニメの偉いところは、毎話の構成と脚本の素晴らしさ!!これがちゃんとできる原作のアニメ化って実は少ないと思う。毎話テーマ(友情、親子愛など)がしっかりしていて、横道に逸れないようにしつつ、必要な情報を漏らさず、分かりやすくて勘違いもさせない。つまり、原作での様々な描写を、敢えて抜いたり、先取りしたり後に回したりして順番を変えたり、いくつかをまとめていたりしてる。例えば2話はボッジとカゲの友情の確立に重きが置かれていたし、そのために必要なカゲの生い立ちにボリュームがあった。3話にボッジとヒリングの関係性とその変化、ヒリングの人となりに注力されてた(ミツマタの使い方も良かった。)今回シリーズ構成・脚本をしている岸本卓に今後も注目しようと思った。(この方の作品はいくつか見てるけど、途中で切った作品も結構あったので、監督の力も大きいのかな?監督・八田洋介についても今後要チェック。)