『ブラック・クランズマン』感想メモ

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ブラック・クランズマン

アダム・ドライバーがけっこう好きだし社会派的な映画は勉強のためになるべく見なきゃな、と思っていて見た。

結果……めっちゃよかった!!

作ってる人たちが賢くて、シリアスとユーモアのバランスがいいし、人も組織も多面的に描いてあって、かつ普遍的な事柄もわかりやすく伝えてくれる、そんな作品。私は初めて見たけど主人公ロン役はデンゼル・ワシントンの息子なのね!とてもよかった。

作品のメインテーマの人種差別問題、今年はジョージ・フロイドさんの事件以降Black Lives Matter運動が盛んになったので、タイムリーといえばタイムリーだったのだけど、映画が進めば進むほど、”50年前と今ってあんまり変わってないの?”と思ってしまった。(私はアメリカにもヨーロッパにもいたことがないから自分の目でどんな感じか見たことがないし、人種差別問題に詳しいわけでもない。)

作品を見ていても思うことだけど、善は誰が行おうと善だし、悪は誰が行おうと悪だということ。もっと端的に言えば、暴力(言葉のも含めて)は誰が行っても悪。どんな組織だろうと、どんなに弱い立場だろうと、どんなにいいことを言っていようと、暴力は悪。だから、闘いは賢くて冷静でないと続かないし成功しない。でもそれって本当に難しい。だって私は酷い目にあったら相手をぶちのめしたくなるものー。

主人公のロンがKKKに潜入して、成果を上げることができたのは、ロン自身の勇敢さと、恵まれた教育環境によるものと思われる賢さと技能(2種類の話し方ができることとか)だけでなく、周りに協力してくれる仲間と上司がちゃんといたことが大きいのかなと思う。協力したいと思わせるのもロンの人徳かもしれないけど。

多様な人から成るチームが普遍的な善に向かうのを見ると励まされる!

すんごい嫌な奴が2人ほど出てきて(職権乱用レイシスト警官と、サイコパスなKKKのメンバー)、どっちも最終的には報いを受けるのでスカッとする。あとKKKの親玉もロンに出し抜かれたことが最後バラされてスカッとする。こういうわかりやすい勧善懲悪な部分があるのも好き。

あと、印象的かつ重要だと思ったのは、フィリップがWASPによるユダヤ人差別に耐えながら潜入捜査を続けていくところ。結局”白人”にもたくさんの線引きがあって、どこまでいっても誰かを差別していないと気がすまないのか、と思う。でもそういう状況って、いくらでも自分が差別される側になりうる。(作中には他に、同性愛差別、障害者差別、性差別も出てきた。)

なんか色々前向きに考えられたし、自戒もできて、いい作品だった!もっと勉強しなきゃな!